前回:
北海道上陸2日目の後半。
二風谷から新冠まで移動。冨川から厚賀までは高速道路を使い、1時間ほどで新冠に到着。
サラブレッド銀座を見渡す公園に車を止める。
サラブレッド銀座 pic.twitter.com/iqOPGY9HDz
— のり (@nori1104) 2019年8月22日
県道の両脇に牧場が続く。
ノーザンホースパーク同様、カメラの望遠レンズで遠くの馬の姿を楽しむ。
柵の間隔が圧縮されて良い感じ。
公園の道向かいには北海道指定天然記念物の「新冠泥火山」の小高い丘を望む。
今でも近隣で大きな地震があると亀裂や隆起が見られるとか。
新冠の市街地に入り、町の郷土資料館を見る。
開館は昭和56年。展示内容はちょくちょく手をいれているようですが、全体的にはやや年季の入った感じ。
1階は動植物や泥火山等、自然展示が主。
馬産地ならではの名馬紹介も。昭和31年にキタノオーが菊花賞を制したのを皮切りに、ハイセイコー、トウカイテイオー、ビワハヤヒデ、ナリタブライアン、マヤノトップガンなどを輩出。最近だとキズナにワンアンドオンリー、アップトゥデイト、ゴールドアクター、ウインブライト等が新冠町から出ています。生産者だと一昔前なら早田牧場、最近だとビッグレッドファームやノースヒルズの活躍が目立ちますかね。この記事を書いている2020年春にも新冠から無敗の二冠馬(コントレイル)が生まれました。
2階は歴史・考古・民俗展示。
ニシン漁や巨大な馬橇・玉橇なんかも北海道ならではという感じがします。
ちょっと異彩を放っていたのが義経伝説に関する展示。新冠町にも義経伝説が残されていて、町中心部の西側にある岩壁は「判官館」と呼ばれており、平泉から逃れた義経一行が身を寄せたという伝説が残っているそう。町のカントリーサインも義経に因んでいるようで、真偽や是非はともかく、地域における伝説の存在の大きさを感じます。
こちらに展示されている衣装は、町のHPによると地元のお祭りで利用されるものとのこと。ただ館内ではこれに関する展示解説見かけなかったんだよな…web上のお祭りのポスター見ても出てこないし今は使ってないのかな…
アイヌや松浦武四郎に関する展示も。シャクシャインが松前藩に謀殺されたのも判官館周辺(旧称ピポク)とのこと。
近代だと「新冠御料牧場」に関する展示が目を引きます。松前藩によって日高地方に放たれた南部馬が野生化していたのを、明治5年に集めて飼育したのが始まりとのこと。範囲図でみるととんでもない広さ。昭和22年に牧場が解放され、明和や太陽といった地区も次々と開拓が行われたそう。
資料館の周囲の柵は御料牧場の牧柵を再現したものとのこと。
新ひだか町はロードサイド店多いな
— のり (@nori1104) 2019年8月22日
中心部の静内地区は国道沿いにロードサイド店舗が立ち並び、にぎやかな雰囲気(田舎育ちなので賑わいの尺度がおかしい)。
図書館に併設された「新ひだか町博物館」を見る。
こちらは2015年開館と、最近できたばかりの新しい博物館。新しくてカーナビの地図に登録されていなかったのでちょっと迷った。
ゴールデンカムイ推し(平取にもこのパネルがあった)。
町のシンボルである「二十間道路の桜」をイメージしたと思われる、桃色を基調とした広々とした展示スペース。中央の年表を境目に、半分は歴史関係、もう半分は民俗関係がメインという感じ。
先史時代、アイヌの時代、開拓の時代。
開拓者が故郷から持ち込んだ郷土芸能が、今では町の無形文化財に指定されているというのは面白い。
シャクシャインの本拠地が現在の静内周辺ということで、象徴的な扱いをされていました。
開拓関係では、明治初期に静内に移住した稲田家関係の資料が充実していた。
元は徳島藩の家老で淡路島を知行地としていた稲田家が当地に移ってきた経緯についてはWikipediaのこちらの記事あたりが詳しいでしょうか。もとは徳島藩領だった淡路島が兵庫県に編入された原因でもあるようで興味深い。ただ稲田家による開拓事業自体は厳しい自然環境や水難事故などで芳しくなく、最終的には開拓使による直轄支配への移行で中絶してしまった模様。
地域の特産である日高昆布に関する展示。
こちらは民俗展示。昭和中~後期の再現かな。
この卓上アンテナは実家にもあったな…
北海道の博物館に展示されている農機具は独特な形していて面白いですね
こっちを見ている…狙われている…
雨が凄くなってきた
— のり (@nori1104) 2019年8月22日
二風谷の辺りでも少し雨に降られていたけれど、新ひだか博物館を出たあたりから雨足が本格的になってきた。
時刻も午後4時を回ったので、急ぎ足で町郊外にある「アイヌ文化資料館」へ。
岩手の森とは一体…
シャクシャインが拠ったシベチャリチャシに建つ館とあって、シャクシャインの戦いに関する展示はかなり詳しい。
シャクシャインが築いたと伝えられるチャシから出土した鉄製品。
チセを模した展示。
彫物や織物の美しさは何度みても良い。
展示室の中央にはアイヌの伝統的な船「イタオマチプ」が鎮座。外見だと丸木舟に板を綴じ合わせたものとは思えない。文献をもとに平成14年に製作されたもののようです。
続いて、アイヌ文化資料館に隣接する「シャクシャイン記念館」へ。
アイヌ文化資料館にシャクシャインに関する展示も充実していたので、こっちは何を展示しているんだろう…と思いながら中に入ってみると、巨大なチセのような空間が広がっていました。外観からは想像できない内部のつくりにちょっと驚く。
基本的にはイベント・交流スペースのような使われ方をされているのでしょうか。
広い部屋の隣には小さな展示スペースがありましたが、民具や工芸品、絵画などが所せましと置かれていて、国道沿いにある古いリサイクルショップのような雰囲気。
この言葉ゴールデンカムイで見たな。
ウー英傑シャクシャインの像見たかったですぞ pic.twitter.com/2pyncpCnhc
— のり (@nori1104) 2019年8月22日
ここには日本史の教科書なんかにも載っていた英傑シャクシャインの像があったのですが、老朽化のため2018年に撤去されておりました…。残された台座と周りを囲むバリケードが物悲しい。
記念館内にあった、こちらの記事内の写真が旧シャクシャイン像。
気を取り直してシベチャリチャシ跡でも見に行くか…とおもったらこちらは工事中。んーついてない。
新しいシャクシャイン像 pic.twitter.com/uegJMP8zKY
— のり (@nori1104) 2019年8月22日
少し離れた場所に設置された新しいシャクシャイン像を見る。
元々の場所に建っていた像は「シャクシャイン顕彰会」が1970年に建立したもので、こちらは2018年に「新ひだかアイヌ協会」が建立したもの。建て替えや旧像撤去に関しては今も論争がある様子。訪問時には台座に銘板らしきものが全くついておらず、なんでだろう…と思っていましたが、今は現知事による銘板が取り付けられている模様。
勇ましい旧像を拝見したかったというのが本音ですが、こちらの像も細やかな衣服の文様がなかなか良いですね。
ちなみに旧像も再建の動きが進んでいて、今秋には像が完成予定の様子。こちらの記事だと元々の建立場所は国史跡の範囲内らしく、ちょっとハードル高そうですが、また元あった場所に再建されるなら見にいきたいですね。
あとは本日の宿・浦河まで移動。
おっさんの入浴情報を積極的にうんぬんかんぬん pic.twitter.com/w2ZPeViNhC
— のり (@nori1104) 2019年8月22日
途中、静内温泉の日帰り入浴施設で汗を流す。
2013年に建て替えられたとあって、だいぶ新しい。
静内温泉を出た時点で時刻は既に午後6時。宿までの道を急ぐ。
19時前にホテル着。
— のり (@nori1104) 2019年8月22日
ホテル近くの居酒屋「かど天」で夕食。
クアー pic.twitter.com/WYWfQLMTtQ
— のり (@nori1104) 2019年8月22日
オイランガレイ pic.twitter.com/L3euhfR7GQ
— のり (@nori1104) 2019年8月22日
明日のえりも方面の天気を心配しながらこの日の行動終わり。
次回: