nori1104の日記

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2019年8月 北海道・日高の旅② 社台スタリオンステーションとノーザンホースパーク

前回:

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北海道上陸1日目。

 

社台スタリオンステーション

フェリーを降りて苫小牧の町に出て、大きな港町によくある何車線もある道路を進む。
次第に車線数も減り、森林地帯を抜けて、周りが北海道らしい畑と牧草地の景色となった辺りで、最初の目的地である社台スタリオンステーションへ到着。

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リーディング上位の種牡馬を数多く抱える、日本馬産界の中心地とも言える施設。
牧場の片隅に見学場があり、見学時間内であれば、繋養種牡馬の一部を見学することができます。

 

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基本的に無人ということもあってか、見学者と馬との間は柵が幾重にも巡らされています。とはいえ見学台もきちんと整備されているので、馬を見るのには特に支障は感じません。

 

まずはいちばん奥の放牧地にいるイスラボニータの許へ。

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2014年の皐月賞馬で、その後も2017年までマイル戦をメインに活躍し続けた馬です。
個人的には社台SSで一番会いたかった馬。
個々の放牧地もなかなかの広さで、なおかつ馬自身が見学場所から見て奥の方にいるので、等倍で撮るとこんな感じ。

 

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持参したミラーレス一眼を望遠レンズに取り換えて撮影。
黒鹿毛の馬体にド派手な白斑が映えますなぁ。
現役時代はカメラ好きで人気を集めましたが、見学時はひたすらに草を食んでいました。

 

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他の馬を見た後にもう一度放牧地に寄ってみたところ、のっそのっそと歩く姿を見せてくれました。

 

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イスラボニータの隣にはハービンジャー
現役時代はイギリスで活躍した馬。競走馬引退後に日本に輸入され、ディアドラやブラストワンピースなどのG1馬を輩出しています。

 

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そのまた隣にはジャスタウェイ
馬主はアニメ脚本家の日丸屋暁氏。名前的にネタ馬かと思いきや天皇賞(秋)ドバイデューティーフリー安田記念とG1を3勝、さらには日本馬史上初の世界ランク1位と歴史的名馬になってしまった馬です。
みんな草食べてるからほとんど同じポーズばっかりや。

 

 

しばらくしたら隣のキンシャサノキセキと見つめあっていました。
キンシャサノキセキルーラーシップは放牧地が奥の方にあったので写真はほとんどなし。

 

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リアルインパクト。こちらは見学場所からだいぶ近い位置にいました。
この年の7月に亡くなってしまったディープインパクト産駒。3歳で安田記念、5歳でオーストラリアのG1レースを制しました。

 

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最後にキタサンブラック
つい2年前までレースを沸かせたスターホースとあってか、駐車場から一番近い放牧地で来場者を出迎えていました。
見学台からだいぶ近い位置にいてくれるのもスターならではですかね。見学者も一番多かったように思います。

 

 

見学場の片隅にはトウカイテイオーのお墓がありました。
亡くなってから6年経ってもお花やニンジンがお供えされているのはさすが。

 

ノーザンホースパーク

45分ほどの滞在で社台SSを出て、次はノーザンホースパークを訪問。

 

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社台グループによる馬のテーマパークです。

 

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最初に訪れたのは、駐車場にほど近い厩舎に設置されたディープインパクトの献花台。

 

2019年の7月30日にディープが亡くなり、その翌日から設置された献花台(現在は設置終了)。設置から20日が経ち、献花台はファンからディープにお供えされた花やニンジンなどで溢れていました。自分も出発前に地元のスーパーで買ったニンジンをお供えしました。

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現役時代のレース写真、三冠レースの優勝レイ、感謝の言葉が添えられたファンの手によるイラスト。

 

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中でも目を引いたのが、ディープが三冠を獲得した各レースの単勝馬券でした。
ずっと記念に持っていたであろう馬券、どんな気持ちでここに置いたのか。

 

 

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ディープインパクトの献花台が置かれていた厩舎にはさまざまな種類の馬が繋養されており、それぞれの馬の違いを見ることができて面白かった。こちらは恐らくショーを終えた後のポニー。

 

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厩舎の外で待機していた馬車の曳き馬。
サラブレットやポニーを見た後だと、その巨大さに圧倒されそうになります。

 

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厩舎の次は「ホースギャラリー」を見学。
日本競馬界を牽引する社台グループの歴史と、生産馬たちゆかりの品々が展示されています。

 

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1980~90年代に種牡馬として活躍したノーザンテーストの頭絡。

 

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サンデーサイレンスは流石の扱いの大きさ。
厩舎の様子が再現されていました。

  

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展示の中で面白いなー、と思ったのがサイアーラインに関するこちらの図。
線形ではなく円の形に描かれているのは初めてみました。
どうやら静内の軽種馬生産者振興会青年部が毎年作成しているようです。
こうしてみるとエクリプス系の寡占っぷりがよく分かりますね。

 

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ディープインパクトは三冠すべての優勝トロフィーが展示されていました。

訪問時にはディープが出走した(おそらく)全レースの映像がモニターで繰り返し放送されており、何人もの訪問客が足を止めて映像に見入っていました。

 

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あとはノーザンファームで生産された競走馬の栄光の品々の展示。ただし、ごくごく限られた馬のものしか展示されていません。何せ活躍馬があまりにも多いので、全て紹介していてはキリがないのでしょう。訪問時に記念品が展示されていたのはリアルスティール、モーリス、ドゥラメンテシーザリオブエナビスタ、そして企画展示でジェンティルドンナ…これだけでも錚々たる顔ぶれですね。比較的最近活躍した馬が多いのが印象的でした。特にドゥラメンテは母系の血統が社台の歴史そのものといえることが説明されており、思い入れの強さが感じられました。

 

 ギャラリー2階は、ノーザンホースパークを会場にして行われる日本最大のセリ市・セレクトセールに関する展示。
こちらは記念撮影可能な鑑定台のレプリカ。表示されているのはマルペンサの2013…サトノダイヤモンドですね。

 

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他には2002年セレクトセールセリ名簿の「ウインドインハーヘアの2002」—ディープインパクトのページが展示されていました。このセリ名簿、他ならぬディープの馬主・金子真人氏のものだそうで、歴史的な1頁といえそうです。

 

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ギャラリーの後はポニー館へ。
入館時にちょうどポニーショーが開催されていました。

 

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ポニー館の2階には「ノーザンホースミュージアム」があります。

こちらでは馬の生態等が家族連れでも楽しめるようなスタイルで展示されています。

 

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馬の進化の歴史や種類、毛色、一日の生活(8時間以上は草を食べているとか)、感情の表し方、年齢や寿命…等々、馬に関する基礎知識をやさしく学べるようになっていました。馬の手入れ道具や蹄鉄を実際に触ってみることができるのも良かった。

 

 

ホースミュージアムの後はポニー館の軽食コーナーで軽めのお昼。食後にアイスもいただきました。

お昼の後は園内を散策。まずは効率よく回れるよう、レンタサイクルを借りる。

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ボタニカルガーデンを通過して、

 

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 「馬見の丘」からノーザンファームを眼下に望む。

 

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望遠レンズをめいいっぱい使い遠くの馬を撮る。

 

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右端の馬、しばらく微動だにしなくて何事かと思ったらおしっこしてた。

 

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パドックから厩舎へと戻るポニー。
厳重に区切られた種牡馬見学地からこちらに来ると、馬と観光客との距離感の近さにちょっと驚かされます。

 

 

 

 別の厩舎にはかつて競走馬として活躍し、今は乗馬として活動している馬にも会うことができます。デルタブルース菊花賞メルボルンカップの勝ち馬、ラストインパクトカレンミロティックもG1勝ちこそないものの、長らくG1戦線で活躍した馬です。

 

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こちらはジャガーメイル。2010年の天皇賞春1着、他にも香港ヴァーズ2着などの成績があります。

他にはディープインパクトのお母さんであるウインドインハーヘアも居たはずなのですが、どこに居るのか分からず(この日は公開されていなかったかも...というか厩舎の人に訊けばよかった)会えずじまい。ここでは唯一の心残りとなりました。

 

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ライディングエリアではちょうど馬術大会が行われていました。社台系の勝負服をモチーフにした柵がステキ。

 

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馬術大会は2組ほど観覧。なかなかの迫力でした。

 

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あとは園内の1か所にまとまって設置されていたモニュメントを見る。こちらは2000年のケンタッキーダービーを勝利したフサイチペガサスの黄金像。

 

  ノーザンファーム代表・吉田勝巳氏の像。金子真人氏が寄贈したもの。

2016年の朝日杯フューチュリティステークスの時のっぽい。

 

 社台グループ創始者吉田善哉氏と、社台グループ躍進の功労馬となったノーザンテースト銅像。晩年は専用の馬房とパドックを与えられ、種牡馬展示会では必ず展示のトリを飾ったとか。

 

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駐車場周りに様々な勝負服を着たジョッキーの像がいくつもあったので、金子真人氏のものと近藤利一氏(アドマイヤ)の服を見つけて撮影。近藤氏も2019年の11月に亡くなってしまったので今となっては感慨深い。

 

最後に売店を覗いて、ディープとキタサンの手のひらサイズのぬいぐるみを購入して退園。滞在時間は3時間ほどでした。

 

この後は門別へ。

 

次回:

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