2年ぶりに北海道へ行ってきました。
前回は最北端・宗谷岬から南下の旅でしたが、今回は北海道の南の先っちょ(最南端ではないんですね)・襟裳岬を目指して日高地方を巡りました。移動手段も前回の飛行機+レンタカーから、カーフェリーを使ってのマイカー旅行に。全体的に悪天候に見舞われたものの、自然に歴史に馬に料理と、北海道の魅力を存分に楽しめた旅でした。
行程
1日目:仙台港からフェリーきたかみ乗船
2日目:社台SS、ノーザンホースパークと見て門別競馬観戦
3日目:ブリーダーズSS、義経神社と見て二風谷・新冠・新ひだかと資料館めぐり
4日目:荒天の襟裳岬から様似、浦河と見て苫小牧港からシルバーフェリー乗船
5日目:八戸からいわきまで海岸沿いに帰る
まずは1日目の「きたかみ」乗船の記録。
いわき~仙台
お昼過ぎにいわきを発ち、まずは仙台を目指して常磐道を北上。
お昼ご飯は四倉PAで買ったほっき飯(500円)。
途中、休憩で立ち寄った南相馬鹿島SA入り口のカーブで軽ワゴンが盛大に横転しててびっくりした…
15時過ぎに仙台に到着。
フェリーの出航まではまだ時間があるので、仙台市博物館の企画展「戦国の伊達氏 ー稙宗から政宗へ」を観覧。
伊達稙宗〜晴宗〜輝宗〜政宗4代の歴史を、当時の古文書等から辿る企画展。序章で戦国時代南奥羽の古文書について解説し、文書の形態や素材などから古文書を見る方法が紹介されていたり、また文書の一つ一つに書き下し文が付いていたりと、古文書が読めない人でも展示を楽しめる工夫がなされていました。伊達輝宗から岩城親隆に宛てられた書状なんかもあって特に興味を引かれた。他にも芦名止々斎(盛氏)とか遠藤基信とか、「信長の野望」で馴れ親しんだ武将の足跡を文書の端々に見かけてはニヤニヤしてました。こういう展示を見る度に古文書読めるようになりてぇな…と思うんだけど実行に移した試しなし。
古文書以外では享保9年(1724年)に伊達家歴代当主を描いた「伊達家歴代画真」の展示が目玉の一つ。観覧時には偶数代の当主が展示されており、14代稙宗・16代輝宗は「信長の野望」でもお馴染みの出陣姿。17代政宗はパネル展示でしたが、遺言通りに両の目が入った状態で描かれていたのが印象的でした。11代持宗から16代輝宗までの歴代当主は全員足利将軍から偏諱を賜っており、将軍などとのやりとりを示す文書とも合わせて、中央との結びつきの強さが感じられました。
他には政宗所用の黒漆五枚銅具足、秀吉から拝領された刀剣・鎺国行(最近仙台市に寄贈されたとか)、人取橋合戦の絵図、狩野探幽筆の伊達政宗甲冑像(政宗自筆の和歌貼付)等々。戦国好きとしては見所も多い、楽しめる展覧会でした。
企画展を見終えた時には既に閉館間近。常設展は2~3年前にも観覧した経験があるので、天正遣欧使節の資料等をざっとだけ見て16時半過ぎに博物館を出発。
太平洋フェリー「きたかみ」乗船
夕方の帰宅ラッシュに被りはしないかと不安だったけれど、幸い大きな渋滞にも巻き込まれることなく、17時20分ごろに仙台港フェリーターミナルに到着。
駐車場は乗船手続きを行う車でほぼ満車状態。折良く空いた駐車スペースに車を停めて建物の中へ。窓口も旅行客やトラックの運ちゃん等でだいぶ賑わってました。
部屋をアップグレードしたいお客さんがいたり、手続きに不慣れそうなおじさんがいたりで、30分ほど並んでようやく順番が回ってくる。自分の乗船手続きは割とスムーズに完了。チケットと部屋のカードキー、車に取り付けるステッカー等を渡される。
行くぜ北海道 pic.twitter.com/iqo8BvYXVj
— のり (@nori1104) August 20, 2019
ターミナル2階から乗船するフェリーを撮影。
太平洋フェリー「きたかみ」。先代に替わって2019年1月に就航した新造船。
バックミラーにステッカーを取り付けて、乗船待機場でしばし待機。18時15分ごろに乗船が始まり、フェリー後部の乗船口から搭乗。船員の誘導を受けながら、車両甲板の指定された場所に車を停める。必要な荷物を全て持って(航海中は車に戻れない)、客室のある甲板へ。
スペース・きたかみ pic.twitter.com/9xaSBn98Uu
— のり (@nori1104) August 20, 2019
今回は奮発して「1等クロスツイン」を予約していました。シングルでも利用可能な2人部屋。通常は乗用車運賃1台(約25,000円)にC寝台1人分が付随しているので、C寝台からのアップグレード分(8,500円)を支払えば利用できる。新しい「きたかみ」は大部屋が廃止されているので、一番グレードの低いC寝台でもカプセルホテルくらいの個室が利用できるけれど、1等クロスツインならビジネスホテル相当の部屋で船上を過ごすことができる。
+8,500円(食事は別料金)を高いと見るか低いと見るかだけれど、個人的にはとてもコスパ良いと思う。16時間も船上で過ごすわけだし、何より船外を部屋から眺められるのが良い。ただあまりにコスパ良いので、いずれシングル利用なら追加料金取られたりしていく気がする。
トイレ・シャワー室はこんな感じ。船ということもあってドアがかなり堅牢な作り。傾斜対策なのか、仕切りの段差もかなり大きくてビジネスホテル感覚でいると面食らいます。
枕元にコンセントがあるのはポイント高い。
テレビやケトル、冷蔵庫なども常備。
特に開けるなとも書いていないので、救命胴衣入れを開けてみる。
なるほどこんな風に入っているのね。
レストランは出港前の18時40分から利用可能。夕食はバイキング形式で2,000円。んーインスタント料理の自販機もあるしどうしようかなー、と最初は思ったものの、Twitterで一等船客だ!とリプされて気分も大きくなってきたのでバイキングをいただくことにする。おらおら一等船客様のお通りだー
取りすぎ謙信 pic.twitter.com/Pb7FgrXpYu
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取り方間違えてプレートに空きができたの図。ちなみに隅っこのビール中ジョッキは別料金で500円。この他に売店ではサッポロクラシックが売られてたけど飲みすぎるのも船酔いが怖いなーと思ったので見送り。結局道内で1回もサッポロクラシック飲まなかったので飲んでおけば良かった。
さらば本州 pic.twitter.com/kBABFA63NU
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出航時間が近づいてきたので展望デッキに出て出航を待つ。
ライトアップされた救難艇が良い。
定刻通り19時40分に出航。
タグボートに引っ張られてる pic.twitter.com/6YarpNO13J
— のり (@nori1104) August 20, 2019
引っ張り終えた後にロープがタグボートからバシュッ!と切り離されるのが格好良かった。
タグボートは出港後もしばらく並走?していた。
仙台港のながーい中央航路を進む。写真では全く伝わりませんがかなりのスピード感。
あとはもう寝ますか pic.twitter.com/NplYEIuEiA
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部屋のモニターでは大体時速30〜40km/hを示していました。大浴場でお風呂を済ませて早めに就寝。
外洋に出ると流石に多少の揺れ。酔い止めを服用していたので船酔いにこそなかったものの、定期的なリズムで上下に揺らされるのは不思議な感覚だった。駆動音もあってだいぶ浅い眠りで一夜を過ごしました。
5時ごろに目が覚める。
まずは大浴場で大海原を眺めながら朝風呂。
朝ごはん。夕食と同じバイキング形式(800円)。もう少し美味しそうに撮れないものか。
朝ごはんを終え、展望デッキへ。小雨がパラついている中をサンダル履きで歩き回る…案の定1回盛大にすっ転んで痛かった。
Nagoyaaaa pic.twitter.com/xurlkZGTsw
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シルバーフェリーの船とすれ違ったので望遠で撮影。
反対側には貨物船。
船内。共有スペースはだいぶ座れる所が多い。
あとは船内で到着を待つ。スマホも圏外でゲームもできない(一応衛星通信を利用したWi-fiはあるが出向前に申請が必要)ので、部屋の中でお茶飲んだり本を読んだりうたた寝したり...プライベートを確保しつつ、時々船外の景色を楽しみながら過ごせるのは良かった。1等クロスツイン万歳。
10時ごろ、もう一度展望デッキへ。前方に苫小牧の港が見えてきた。
来たぜ北海道 pic.twitter.com/JZTu68dbq2
— のり (@nori1104) August 21, 2019
部屋に戻って出発の支度をし、車両甲板への案内放送を待つ。11時ちょっと前に接岸。船内放送を聞いてロビーへ。車両甲板へ向かうエレベーターが混み合っていたので階段で降りたけど荷物を抱えながら狭くて急なフネの階段を降りるのは難儀した。車両に着いてから下船案内までは意外と時間がかからず、11時10分過ぎに行きと同じ後部搭乗口から船の外へ。船内では仙台港を指したままだったカーナビが正確な位置に直り「北海道に入りました」…さぁ北海道だ。
次回: