秋田旅行2日目⑤ 寺崎廣業展と藤田嗣治「秋田の行事」と
の続き。
久保田城跡を見終えた時点で既に16時近くを回っていたものの、折角なのでギリギリまで粘ってみるかという事で、三の丸にある「秋田市立千秋美術館」と「秋田県立美術館」を限られた時間内でハシゴしてみることに。
両館ともに閉館時刻が18時と若干遅めなのも幸いでした。
まずは秋田市立千秋美術館。秋田蘭画が見られれば良いなあ、と想いながら入館したのですが、開催していたのは秋田市出身の日本画家:寺崎廣業(1866~1919)の展覧会でした。
寺崎廣業、恥ずかしながらこの展覧会で初めて名前を知ったのですが、生前は横山大観・竹内栖鳳らと肩を並べ、明治・大正期の日本画壇の頂点に君臨していた画家だったそうです。
展示作品の中では、明治時代の風俗を後世に伝える「『当代の歴史画』としての風俗美人画」として描かれた「秋苑」、大画面の歴史画「大仏開眼」などが特に印象に残りました。晩年に描かれた信州の山々もたいへん良かった。
次いで、秋田県立美術館を訪問。
美術館は安藤忠雄の設計。確かにそう言われてみればそんな感じがします。元は千秋公園内にあったものを、平成25年にこちらの再開発区域に移転してきたものなのだそう。元の建物には藤田嗣治の意向なども反映されており、そこからの移転には反対運動などもあったようですが、それはさておき。
ここでの見どころは藤田嗣治の「秋田の行事」。秋田有数の資産家であった平野政吉が、建設を構想していた美術館の壁画とするために、親交のあった藤田に制作を依頼したもの。展示室に入ると高さ3m65cm、幅20m50cm(!)という大作振りにまず圧倒されます。絵の中には竿灯祭りや山王祭などの祭礼や、制作当時(昭和12年)の秋田の冬の生活等が生き生きと描かれており、秋田人ならずとも厳かな気持ちにさせられました。記念にポストカード(風の複製)買いましたが横長すぎて家での取り扱いに難儀しています。
(長い)
企画展の方は、越後瞽女を題材にした作品を数多く描いた斎藤真一の展示。
フライヤーの通り、赤色が印象的でした。
やや駆け足気味に2つの美術館を見て回り、後はホテルに向かうのみ。…とはいえこの日の宿泊先は秋田市内ではなく、大潟村・八郎潟干拓地にあるホテル。という訳で、警報レベルの大雨*1が降りしきる夜の道を車で1時間ほど走り、本日のねどこへと向かいます。
途中、小さな橋を渡ったかと思ったら、その後はひたすら続く直線道路。八郎潟干拓地に入ったんだと気づくのには少し時間がかかりました。もう少し大きな橋を渡るものだと思っていた。夜間ということも相まって、長い長い直線道路は走ってて少し怖かったです。
(元)みずうみのうえにいる。予定より少し遅れて、大潟村のホテルに到着。
晩ごはん。お米はもちろん大潟村産。八郎潟干拓地で作られたお米、と聞いただけで何だか特別な感じがするのは自分だけか。